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スバルのショートムービーCMに見る、ブランディングのカタチ

      2015/12/02

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最近若者を中心に車が売れなくなったといわれています。実際に2007年を境に各家庭の自動車保有率は頭打ちになり、年々減少傾向にあります。

また1世帯当たりの自動車保有台数も急激に減りつつあり、経済的な圧迫が、車という高級消費財に影を落としているとみることができるでしょう。新規で車を購入する人もリーマンショック以降急激に減り、反面中古車を購入する人が増加しています。こういった傾向からも、新車を購入する人は減り、さらに車を保有したい人も減っているわけです。

そんな中、日本の自動車メーカーは車を買ってもらおうと必死です。環境への配慮や、省エネ、低燃費、利便性の高さなど、車が売れていた時代には考えられなかった遡及ポイントを前面に押し出し、マーケティングを図っています。

日本の自動車メーカーには、日産、トヨタ、ホンダなど、メジャーなメーカーがある一方で、当然マイナーな所もあります。今回は大手の自動車メーカーではなく、あえてスバル自動車を取り上げ、そのブランディング政策を探ってみたいと思います。

1.スバルのショートムービーCMって?

なぜスバルを取り上げたかというと、先日気になるCMを見つけたからです。

そのCMとは日本テレビ系列にて放送中の「金曜ロードSHOW!」の中で限定放映されている、スバルのショートムービーCMです。約90秒ほど、2014年9月までに放映されているのは6篇、一貫して「人生を変えるような出会い」をテーマにした物語が展開されています。いわゆる感動系のオハナシです。

※スバルの特設ページから6編すべて視聴することができます

もちろん、スバルの車も物語の大切な軸になっていて、人間関係、親と子、過去と未来などテーマをより印象的に浮かび上がらせる役割を担っています。

映画の合間のCMはたいてい煩わしいものですが、このCMに限っては別です。映像の完成度は高く、俳優の演技にも味があり、音の使い方も抜群で、引き込まれます。私は車に興味はありませんが、このムービーには心動かされました。

繰り返しになりますが、車には興味が無くても、ストーリーには共感できるわけです。もしかしたら車好きの人はこのようなエピソードをいくつも持っているんじゃないか?とも思いました。そう考えているうちに、なんとなくスバルの車が魅力的に思えてきたのも、正直な感想としてあります。

2.もともとスバルとは?

スバル=富士重工業はもともと航空機メーカーで、独自の技術と機能性・合理性優先で、既成概念にとらわれないユニークな自動車を生み出してきました。

その特徴から、昔から「スバリスト」と呼ばれるコアなファンが多い反面、日本の自動車大手8社の中では最小規模と、そのシェアはあまり大きくありません。

近年は北米を中心にその走行性能が評価され、人気の日本車となっていることが知られるようになり、ようやく日本のユーザーにも注目をされつつあります。

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⇒拡大して見る

出展:マークラインズ株式会社

2013年の自動車生産台数のシェアを見ると、1位はトヨタで36.8%、2位はスズキで10.7%、3位はマツダで10.6%、同じく3位に日産の10.6%、以降ホンダ、ダイハツと続き、7位に富士重工の7.0%となります。これを見る限り、1位のトヨタは別格として2位~8位(三菱6.5%)はダンゴ状態ですので、その気になれば上位も狙えるシェアです。

3.若者に買ってもらうためのブランディング

こうした”ダンゴ状態”を抜け出すためにスバルが取ったのは、人と車との関係性にフォーカスしたブランディングです。

トヨタにせよ日産、スズキ、ダイハツにせよ、自動車メーカー各社のCMが、自社メーカーの自動車の機能性を中心にアピールしているなか、スバルが出した結論はそうではありません。

ただおそらく、スバルの方法が唯一、車に興味がない人に興味を持ってもらうための方法なのではないかと思います。というのも、そもそも車に興味がない人は、いくらその機能性をアピールされても、その利用シーンを具体化してくれても、車に対する興味が深まることはないからです。

そうなった場合、誰のためのCMかというと、車に興味がある人、もっと言うと、そのメーカーの車をすでに持っている人に向けたCMになります。なのでシェアの拡大にはつながりにくいです。

しかしスバルは、ブランディングの意味に立ち返り、「ユーザーに共通のイメージを持たせる」ことをCMで表現しているのです。ブランドが顧客に提供できる価値を、「誰に」「どこで」「どのように」伝えるかを考えて、顧客の気持ちとブランドのイメージを繋げることがブランディングの本質です。

スバルのことをよく知らない若者に、スバルの自動車の魅力を語ってもわかりませんからね。それはどこのメーカーも同じでしょう。それよりも、ブランディングの真の意味に立ち帰れば、まず車に興味を持ってもらうことが最優先になります。その意図はCMで完遂していると思います。

まとめ

トヨタ以外はすべて横並び。この状況をチャンスと見て、改めてブランディングを行っているスバルは時代の流れに取り残されず、今後も独自の路線を突き進んでいくのでしょう。

私自身、あのCMでスバルというメーカーが気になりだしました。まあ、買わないだろうけど…。

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